
BOOKS ランキング&今週のおすすめの一冊 2025/4/8放送
2025.04.08
毎週火曜日9時20分頃から、RKCラジオの「とさこちラジオ」で放送しているBOOKSランキング!
4月8日に放送した内容をご紹介します★
4月8日に放送した内容をご紹介します★
『4月8日放送 BOOKSランキング!TOP10』
🔻ランキング🔻※4月2日付
1位 NHK連続テレビ小説 あんぱん 上 ※初登場!
中園ミホ 作 / 後藤美奈 ノベライズ <NHK出版>

2位 新装版 わたしが正義について語るなら
やなせたかし 著 <ポプラ社>

3位 今さら聞けないお金の超基本 ビジュアル版
泉美智子 監修 坂本綾子 著 <朝日新聞出版>

4位 日ソ戦争 ※初登場!
麻田雅文 著 <中央公論新社>

5位 やなせたかし みんなの夢まもるため
やなせたかし他 著 <NHK出版>

6位 頭のいい人が話す前に考えていること
安達裕哉 著 <ダイヤモンド社>

7位 天までのぼれ
中脇初枝 著 <ポプラ社>

8位 人魚が逃げた
青山美智子 著 <PHP研究所>

9位 日曜市の歩き方マップ
いそのけい・石川藍・かずさまりや 著

10位 歴史のなかの貨幣フネ ※初登場!
黒田明伸 著 <岩波書店>

1位 NHK連続テレビ小説 あんぱん 上 ※初登場!
中園ミホ 作 / 後藤美奈 ノベライズ <NHK出版>

2位 新装版 わたしが正義について語るなら
やなせたかし 著 <ポプラ社>

3位 今さら聞けないお金の超基本 ビジュアル版
泉美智子 監修 坂本綾子 著 <朝日新聞出版>

4位 日ソ戦争 ※初登場!
麻田雅文 著 <中央公論新社>

5位 やなせたかし みんなの夢まもるため
やなせたかし他 著 <NHK出版>

6位 頭のいい人が話す前に考えていること
安達裕哉 著 <ダイヤモンド社>

7位 天までのぼれ
中脇初枝 著 <ポプラ社>

8位 人魚が逃げた
青山美智子 著 <PHP研究所>

9位 日曜市の歩き方マップ
いそのけい・石川藍・かずさまりや 著

10位 歴史のなかの貨幣フネ ※初登場!
黒田明伸 著 <岩波書店>

『今週の初登場作品!』
今週のランキング初登場!
『NHK連続テレビ小説 あんぱん 上』中園ミホ 作 / 後藤美奈 ノベライズ <NHK出版>
何者でもなかった主人公・のぶと嵩が、あらゆる荒波を乗り越え“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでを描く、連続テレビ小説『あんぱん』。
“朝ドラ”を完全小説化。
『日ソ戦争』麻田雅文 著 <中央公論新社>
日ソ戦争とは、1945年8月8日から9月上旬まで満洲・朝鮮半島・南樺太・千島列島で行われた第2次世界大戦最後の全面戦争である。本書は新史料を駆使し、米国によるソ連への参戦要請から、満洲など各所での戦闘の実態、終戦までの全貌を描く。
『歴史のなかの貨幣』黒田明伸 著 <岩波書店>
歴代中国王朝が鋳造した数千億枚に上る銅銭。世界史上極めてユニークなこの小額通貨は、やがて海を越え、日本を含む中世東アジアの政治・経済・社会に大きなインパクトをもたらした。貨幣システムの歴史を解明してきた著者が、東アジア貨幣史の謎に迫る。
『NHK連続テレビ小説 あんぱん 上』中園ミホ 作 / 後藤美奈 ノベライズ <NHK出版>
何者でもなかった主人公・のぶと嵩が、あらゆる荒波を乗り越え“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでを描く、連続テレビ小説『あんぱん』。
“朝ドラ”を完全小説化。
『日ソ戦争』麻田雅文 著 <中央公論新社>
日ソ戦争とは、1945年8月8日から9月上旬まで満洲・朝鮮半島・南樺太・千島列島で行われた第2次世界大戦最後の全面戦争である。本書は新史料を駆使し、米国によるソ連への参戦要請から、満洲など各所での戦闘の実態、終戦までの全貌を描く。
『歴史のなかの貨幣』黒田明伸 著 <岩波書店>
歴代中国王朝が鋳造した数千億枚に上る銅銭。世界史上極めてユニークなこの小額通貨は、やがて海を越え、日本を含む中世東アジアの政治・経済・社会に大きなインパクトをもたらした。貨幣システムの歴史を解明してきた著者が、東アジア貨幣史の謎に迫る。
『今週のおすすめの一冊』
「雫」
寺地はるな 著 〈NHK出版〉

今回紹介させて頂くのはNHK出版から刊行された小説「雫」です。著者は寺地はるなさんです。
私の紹介では4作目となりますのですっかりお馴染みの作家さんですね。これまでにご紹介した寺地さんの作品は「生きづらさ」や「等身大の葛藤」がテーマになっているものが多かったですが、今作は少し毛色が違っているように思います。
さて、タイトルにもなっている「雫」という言葉を聞いて、みなさんはどんなものを思い浮かべるでしょうか。水滴の雫を思い浮かべる方がほとんどだと思います。今作のテーマになっているのはまさに水滴の雫です。空から降った雨は川を流れ海となり、いずれ水蒸気となって空へ戻り再び雨となります。そんな水のサイクルを永遠に例えることで、「永遠とは何か」を考えていくことが今作に隠されたテーマだと私は考えます。
主人公である永瀬珠(たま)は冒頭の2025年時点で45歳の女性で、ジュエリーリフォームを営むジュエリータカミネの専属デザイナーです。そしてボンボン社長の長峰、同じビルの別会社で働く森くんと無口な地金加工職人の木下しずく、彼ら4人を中心に物語は進みます。4人は中学3年生の頃の同級生ですが、恋人や幼馴染と言うには距離感が離れており、単なる同級生と言うにはお互いのことを気にしていて一言で表現できる関係性ではありません。特別仲が良い訳でもなく、時には相手のことを鬱陶しく思うこともあります。それぞれにエゴがありつつも彼らなりの絆は確かにあるのです。
この小説の構成は少し変わっていて、桜庭一樹さんの小説「私の男」のように現在から過去へ時間が遡っていきます。冒頭は2025年の4月から始まり、そして5年ずつ遡って数々のエピソードが繰り広げられます。永瀬たち4人を中心に30年に渡って遡り展開される物語は一読の価値があります。
第一章の2025年4月は、永瀬が20年務めた会社が事業を畳むことになり、ひょんなことから久しぶりに永瀬たち4人が顔を揃えた場面が描かれています。彼女たちの関係性はここでも簡単に描かれており、4人がこれまでに積み重ねてきた過去や出来事の片鱗をぼんやりと感じ取ることができるものの、しかし明確に知ることができません。まるで長い小説のエピローグを先に読んでいるような感覚に陥ることでしょう。
時が流れていくタイプの物語は主人公や周囲の人物たちの成長と変化を分かりやすく目にすることができますが、反対に時間が過去に遡っていく物語は、その未来になぜ行き着くことになったのかを知ることができます。2025年の永瀬たち4人の人間性や関係に至るまでの30年に渡るエピソードを読み解いていくことで、点と点が繋がっていくような気づきと驚きが様々な場所に隠されているのです。
さて30年前の自分を思い返してみると、現在の自分とは別人のように感じる方もいるかもしれません。私の場合は小学校低学年の頃なので別人に思うどころか記憶もほぼ残っていない有様です。ですが25年前、20年前…と区切って思い返してみると、あの頃の先生にお世話になったなぁとか、あの頃の自分はやんちゃだったなぁといった思い出が蘇ることでしょう。
同じ人物であっても年齢や環境が変われば変化をしていくものです。まるで空から降った雨が川を流れ海となり、いずれ水蒸気となって空へ戻りまた雨となるように、変化をしながら移り行く永遠のなかの一部のように、永瀬たち4人の関係も30年に渡って変化をしていきます。変化しつつも続いていく彼女たちの関係も永遠と呼べるのかもしれませんし、形を変えつつ次の誰かに受け継がれていくジュエリーもまた永遠なのかもしれません。
遡っていく構成は序盤に多少の読みにくさはありつつも、それを補って余りある読み応えはさすが寺地はるなさんの表現力です。本書には何も特別なことは起こりませんが、「永遠」ってなんなのだろうと考えてしまう一冊となっています。奇しくもこのラジオの放送日と同じ2025年4月から始まるこの小説を皆さんも楽しんでみて下さい。
金高堂本店 スタッフ
寺地はるな 著 〈NHK出版〉

今回紹介させて頂くのはNHK出版から刊行された小説「雫」です。著者は寺地はるなさんです。
私の紹介では4作目となりますのですっかりお馴染みの作家さんですね。これまでにご紹介した寺地さんの作品は「生きづらさ」や「等身大の葛藤」がテーマになっているものが多かったですが、今作は少し毛色が違っているように思います。
さて、タイトルにもなっている「雫」という言葉を聞いて、みなさんはどんなものを思い浮かべるでしょうか。水滴の雫を思い浮かべる方がほとんどだと思います。今作のテーマになっているのはまさに水滴の雫です。空から降った雨は川を流れ海となり、いずれ水蒸気となって空へ戻り再び雨となります。そんな水のサイクルを永遠に例えることで、「永遠とは何か」を考えていくことが今作に隠されたテーマだと私は考えます。
主人公である永瀬珠(たま)は冒頭の2025年時点で45歳の女性で、ジュエリーリフォームを営むジュエリータカミネの専属デザイナーです。そしてボンボン社長の長峰、同じビルの別会社で働く森くんと無口な地金加工職人の木下しずく、彼ら4人を中心に物語は進みます。4人は中学3年生の頃の同級生ですが、恋人や幼馴染と言うには距離感が離れており、単なる同級生と言うにはお互いのことを気にしていて一言で表現できる関係性ではありません。特別仲が良い訳でもなく、時には相手のことを鬱陶しく思うこともあります。それぞれにエゴがありつつも彼らなりの絆は確かにあるのです。
この小説の構成は少し変わっていて、桜庭一樹さんの小説「私の男」のように現在から過去へ時間が遡っていきます。冒頭は2025年の4月から始まり、そして5年ずつ遡って数々のエピソードが繰り広げられます。永瀬たち4人を中心に30年に渡って遡り展開される物語は一読の価値があります。
第一章の2025年4月は、永瀬が20年務めた会社が事業を畳むことになり、ひょんなことから久しぶりに永瀬たち4人が顔を揃えた場面が描かれています。彼女たちの関係性はここでも簡単に描かれており、4人がこれまでに積み重ねてきた過去や出来事の片鱗をぼんやりと感じ取ることができるものの、しかし明確に知ることができません。まるで長い小説のエピローグを先に読んでいるような感覚に陥ることでしょう。
時が流れていくタイプの物語は主人公や周囲の人物たちの成長と変化を分かりやすく目にすることができますが、反対に時間が過去に遡っていく物語は、その未来になぜ行き着くことになったのかを知ることができます。2025年の永瀬たち4人の人間性や関係に至るまでの30年に渡るエピソードを読み解いていくことで、点と点が繋がっていくような気づきと驚きが様々な場所に隠されているのです。
さて30年前の自分を思い返してみると、現在の自分とは別人のように感じる方もいるかもしれません。私の場合は小学校低学年の頃なので別人に思うどころか記憶もほぼ残っていない有様です。ですが25年前、20年前…と区切って思い返してみると、あの頃の先生にお世話になったなぁとか、あの頃の自分はやんちゃだったなぁといった思い出が蘇ることでしょう。
同じ人物であっても年齢や環境が変われば変化をしていくものです。まるで空から降った雨が川を流れ海となり、いずれ水蒸気となって空へ戻りまた雨となるように、変化をしながら移り行く永遠のなかの一部のように、永瀬たち4人の関係も30年に渡って変化をしていきます。変化しつつも続いていく彼女たちの関係も永遠と呼べるのかもしれませんし、形を変えつつ次の誰かに受け継がれていくジュエリーもまた永遠なのかもしれません。
遡っていく構成は序盤に多少の読みにくさはありつつも、それを補って余りある読み応えはさすが寺地はるなさんの表現力です。本書には何も特別なことは起こりませんが、「永遠」ってなんなのだろうと考えてしまう一冊となっています。奇しくもこのラジオの放送日と同じ2025年4月から始まるこの小説を皆さんも楽しんでみて下さい。
金高堂本店 スタッフ

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