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『互いを認め合える世の中に』トランスジェンダーの男性が叶えた一歩!にじいろパレード高知初開催
『互いを認め合える世の中に』トランスジェンダーの男性が叶えた一歩!にじいろパレード高知初開催
2024.12.02
2024年11月30日(土)高知県で初めて性的マイノリティーの人たちやその支援者たちが性の多様性への理解などを訴える「にじいろパレード」が開催されました🌟

主催者の男性に思いを聞きました。

※2024年11月30日取材
※掲載している内容は取材当時のものです
※外部サイトからご覧の場合、ぐるぐるこうちのオリジナルサイトでは動画もご覧いただけます
『高知初開催のパレードには約140人が参加🌈』
11月の最終日のお昼過ぎ、高知市の高知城のふもとにある丸ノ内緑地にたくさんの人が集まってきました。



年齢層も国籍も様々。共通しているのはカラフルなレインボーカラーのグッズ
それぞれがマントや法被を身に着けたり、フラッグ、バングルなどを手にしています。





今回開催されたのが高知にじいろパレード
にじいろパレードとはレズビアンやゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーなどLGBTQ+などの性的マイノリティの人たちやその支援者が、セクシュアリティやジェンダーの多様性を祝うために開催するパレードのこと。

最近「LGBTQ+」という言葉を耳にする機会も増えてきましたが、改めて頭文字と意味を見てみると、
L」(Lesbian)レズビアン…同性を好きになる女性
G」(Gay)ゲイ…同性を好きになる男性
B」(Bisexual)バイセクシャル…男性も女性も好きになる人
T」(Transgender)トランスジェンダー…心と身体の性が一致しない人
Q」(Questioning / Queer)クエスチョニング / クィア…心の性や好きになる性を決めない、決めたくない人 
+」(Plus)プラス・・・L・G・B・T・Qにあてはまらない人

にじいろパレードは高知県では初めての開催
高知県では2021年の高知市を皮切りに、土佐清水市、黒潮町、南国市、香南市、安芸市、大月町、いの町、宿毛市の計9市町でパートナーシップ制度が導入されています。(2024年11月時点)
※パートナーシップ制度・・・同性同士の婚姻が法的に認められていない日本で、各自治体が独自にLGBTQカップルに対して「結婚に相当する関係」とする証明書を発行し、様々なサービスや社会的な配慮を受けやすくする制度。

パレードの開催地となった高知市は2020年ににじいろのまち宣言を行い、多様な性を認め合う街づくりが進められています。



午後1時、ひろめ市場前からパレード開始!今回にじいろパレードに参加したのは約10か国、約140名




(↑ レインボー高知のマスコットキャラクター クマの「レインボーくん」)

県内だけでなく、県外からの参加も。北海道の北見市は高知市の姉妹都市。北見市では市内の中学生向けにLGBTQへの理解啓発のためのパンフレットも配布しているそうです!



目を引く大きなのぼり。



左のレインボーフラッグは、LGBTQ+コミュニティのシンボルで、平和や多様性、尊厳を意味しているそう。ちなみに7色ではなく6色カラー!



右のピンクと水色の旗は「トランスジェンダー」のシンボルフラッグと教えてくれました。



「レインボー高知!」を掛け声にひろめ市場前から高知駅、そして丸ノ内緑地へと約1時間のパレードが終了。

参加した人に話を聞いてみると
「こんなに大勢の人が参加するとは思っていなくてビックリ!街中を手を振りながら歩いていると皆さん、手を振り返してくれて嬉しかったです。さすが "高知家" というだけあってみんな温かいですね」と予想以上の反響だったそう!

『レインボー高知代表 宮田真さん』
今回の「高知にじいろパレード」を企画したのが高知県のセクシャルマイノリティ(LGBTs*)とアライ(ALLY)※ の団体であるレインボー高知
*SはLGBT以外の性自認や性的指向を頭文字
※LGBTQ+などの性的マイノリティを理解し、差別や偏見をなくすために行動する人のこと

レインボー高知の代表を務める「宮田 真(しん)」(45才)さんにお話を聞きました。



宮田さんは高知県いの町の出身。女性から男性に戸籍を変えた「トランスジェンダー」です。

宮田さんは2019年1月、LBGTQ+への理解を高知でも深めたいとNPO団体「レインボー高知」を設立しました。

宮田さんが自分の性に違和感を感じたのは小学校入学前、年長くらいの時だったと言います。
「周りの女子たちはお人形遊びをやっているけど、どうも馴染めない、男の子の遊びの方が興味があったし、やっていて面白かった。けど親には言えなかったし、何となく言っちゃいけないと思っていましたね」

幼いながらに親に自分の本当の気持ちを伝えてはいけないと感じていたという宮田さん。
小学校に入ると自分の性が周りと違うということをはっきりと感じたそうです。
「女の子だから赤いランドセルじゃないとダメ、スカートを履かなくちゃダメというのが、ものすごい嫌だった。自分の性に違和感を持っている子どもたちはいると思う。でも周りに言えないという子が多い」

性転換手術をするため、25才の時に両親にカミングアウト
やはり両親からはすんなりと理解を得ることはできませんでした。
特に宮田さんの母親からの反対が大きかったそうです。
「やっぱり身体をいじることに母親は抵抗があったんでしょうね。険悪になりました」

葛藤の中、宮田さんのお母さんが選んだのはトランスジェンダーについて勉強し理解すること。
今では家族、親戚との関係も良好になったと言います。
「家族が理解してくれるって大きいですよ。1人じゃないというか、うん」



家族からの理解は性的マイノリティの人々にとって大きな安心感につながると言います。
『多くのトランスジェンダーは病院に苦手意識があるんです 』
「トランスジェンダーって病院が苦手なんですよね」

実はトランスジェンダーの人たちにとっては病院は行き辛い場所の1つ。
「性転換前は戸籍は女性だから、窓口で呼ばれる名前は元の女性の名前でしょう。フルネームで呼ばれるのは辛かった」

現在、宮田さんは車いす生活を送っています。
37才の時に「後縦靭帯骨化症(こうじゅう じんたい こっかしょう)」という難病を発症。
この病気は背骨の中を縦に走る後縦靭帯が骨化して脊髄や神経根を圧迫し、神経症状を引き起こす病気で原因や治療法が確立されていない国指定の難病の1つです。

「診断がくだる前から足の調子が悪いことには気づいていたんですけど、やっぱり病院は行きたくなくて。ホルモン投与を止めなさいとか言われたらどうしようと思って足が遠のきましたね。結局ギリギリまで行かなくて」

杖無しでは歩行もできなくなり、病院に駆け込んだ時には症状はかなり重篤な状態まで進行していました。
「もう少し早く行っていれば、と思うこともあります」

医療機関受診のハードルは多くのトランスジェンダーが抱えている喫緊の問題です。
『互いを認め合える社会になって欲しい』
今回、高知県内で初めての開催となったにじいろパレード。
開催前は不安が大きかったと言います。
「本当に来てくれるのかなって、集まるのかなって不安でしたね。事前申し込みが50人ちょっとで。こんなにたくさんの人が(約140名)参加してくれて嬉しいです」



パレードを通して街の人に伝えたい思いを聞きました。
「街の方に、性的マイノリティが身近にいるということを知ってもらいたいですね。知ってもらうのがまずは大事。高知市のパートナーシップ制度もまだまだ知られていないですから、それも伝われば」

「トランスジェンダーだから、レズビアンだから、ゲイだからこう!って決めつけて欲しくはないですね。どうしても一括りにされてしまいがちなので。 "個" で見てもらえると見方も変わると思います」




お互いを認め合うために重要なのはコミュニケーション、自分にとっての当たり前は他人にとっての当たり前ではないと言います。

宮田さんは現在、LGBTQ+理解推進・啓発のため月に2回程度、小学校や警察などで講演を行っています。

「子どもたちには自分を大切にして欲しい。そのためには性的マイノリティに対する基礎的な知識が大事ですよね、自分のセミナーをきっかけに知ってもらえれば」

自分の性に悩んでいる子どもたちが生きやすくなる世の中に。
互いを認め合うことができる社会に。

宮田さんの想いがまた1つ前へと進みました。

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