和菓子のはなし ~輪抜けさまにちなんだ和菓子「水無月」のはなし~
和菓子のはなし ~輪抜けさまにちなんだ和菓子「水無月」のはなし~
2024.06.07
RKCラジオで毎月第1木曜日の午前10時35分頃から放送している「和菓子のはなし」

和菓子の魅力、美味しさを、創業元禄初年(1688年)西川屋老舗・池田真浩さんと楽しくお伝えしています。

今月紹介するのは、輪抜けさまにちなんだ和菓子「水無月」ついて!

『残り半年を無病息災で過ごせますようにと願う「輪抜けさま」』
6月に入り、一年もいつの間にか半分の折り返し地点がやってきました。
6月と言えば、各地の神社で夏越の祓のお祭りが催され、高知だと「輪抜けさま」として有名です。
輪抜けさまでは、神社に茅で編んだ輪が作られて、参拝者は左、右、左と8の字を描くようにくぐる「茅の輪くぐり」を行います。一年の半分・折り返し地点の6月に、これまでの穢れを祓って、あと半年を無病息災で過ごせますようにと願う日です。

初代土佐藩主・山内一豊候が祀られている山内神社にも、ふさふさとした、いかにもパワーがもらえそうな茅の輪が設けられます!



この行事はかなり歴史が古く、平安中期の勅撰和歌集『拾遺和歌集』には、「六月(みなづき)のなごしの祓(はらへ)する人は 千とせの命延ぶといふなり」との歌が記されていて、古くから民間でも大切にされてきたことが伺えます。

実は和菓子の世界には、この輪抜けさまにちなんだお菓子があるんだとか!それが『水無月』!
『輪抜けさまにちなんだ和菓子「水無月」 どんなお菓子??』
『水無月』は、三角形のういろうに小豆を散らしたお菓子



瑞々しい三角形のういろうは、氷に見立てています。昔は冷凍庫がなく、暑くなってくる時期に氷を食べるのは貴族ぐらいでした。氷室といいますが、夏でも涼しい山の洞窟の中に冬のうちに氷を貯蔵しておいて、夏に食べていたそうです。その貴重な氷をお菓子で再現したのがこの『水無月』と池田さんが教えてくれました!

上に小豆を散らしていますが、これは厄除けの縁起物なんだそう!!
小豆の赤い色は太陽や火の色であり、生命力を象徴することから、邪気を払うといるんだとか。涼しい氷に見立てたういろうを、厄除けの小豆といっしょに食べて、元気を出そう!」というお菓子なんですね!

この『水無月』は、特に京都で6月の定番のお菓子として親しまれているもの。
近年はその他の地域にも広まりつつあって、『水無月』を作る和菓子店は高知県内にもいくつかあるそうです。

最近『水無月』の人気がだんだんと高まっていることから、西川屋では通常6月下旬から販売開始のところを、今年は6月6日から6月末まで販売しているそうですよ。ぜひ涼を楽しんでみて下さいね☆彡

次回は7月4日(木)の放送です!お楽しみに★
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