「あんこ」を使った和菓子「土佐とんと昔話」のはなし
「あんこ」を使った和菓子「土佐とんと昔話」のはなし
2023.11.02
RKCラジオで毎月第1木曜日に放送している「和菓子のはなし」

和菓子の魅力、美味しさを、創業元禄初年(1688年)西川屋老舗・池田真浩さんと楽しくお伝えしています。

今回紹介するのはあんこを使った和菓子『土佐とんと昔話』!

 
『土佐とんと昔話』ってどんな和菓子?
西川屋の池田さんが持ってきてくれたのは、高知県民もびっくりしたあのビッグニュースにちなんだお菓子!NHK朝の連続テレビ小説で、今春は牧野富太郎博士が題材の「らんまん」でしたが、2025年にやなせたかしさんを題材にした「あんぱん」が放映されることが決定!タイトルが「あんぱん」ということで、あんこを使った西川屋の和菓子『土佐とんと昔話』のおはなしです。

『土佐とんと昔話』はあんこの入ったどら焼き。あんこと言えば、こしあんや粒あん、また小豆あん・白あんをイメージしますよね。『土佐とんと昔話』はちょっと珍しい“白つぶあん”を使ったお菓子なんです。



しかも、皮もいつものどら焼きとちょっと雰囲気が違います。虎の毛皮みたいな縞模様の、とら焼なんです。この中に白つぶあんが挟まっています。



ここでちょっと豆知識ならぬ小豆知識。
白あんは小豆あんに比べてあっさり!なので、あっさりした味わいが生きる"こしあん"にすることが多いそう。反対に、豆の風味がしっかり立つのは"つぶあん"。

では、白つぶあんというと…?白あんならではの、素材の味を引き立てる「あっさりさ」と、つぶあんの特徴である「満足感のある食感」を楽しむことができるんです。

『土佐とんと昔話』にはあんこに「刻み栗」が加えられているのでよりコクのある味わいに仕上がっています!
和菓子店によって違う「あんこ」の味わい!
あんこは和菓子店さんによって味わいが大きく違うのも特徴。
その違いが出るのが「仕上げ方」。白あんよりもしっかり力強い風味になる小豆あんでは、渋切りの回数で特徴が出ます。「渋切り」とはあんこを炊くときに、豆を煮詰めて出てきた煮汁を何回か捨てる作業です。これは豆に含まれている渋みを抜くために行うので「渋切り」と呼ばれます!この渋切りをたくさん行えば行うほど、渋みのないすっきりとした味わいになっていきます。

西川屋ではつぶあんを炊くときには、あえて1回しか渋切りは行っていないそう。その理由は渋切りが少ない方が豆の風味がしっかり残るからと説明してくれました。

他にも砂糖をどれくらい入れるか、水あめを入れるのか、寒天を加えるのか、粒をどれぐらいしっかり残すのか…お菓子やお店によって、あんこの作り方は千差万別!
「あんこはちょっと苦手」という方も「このお店のあんこは食べられる」ということもありますよね。

和菓子店によって、色々な味わいが楽しめる「あんこ」。ぜひ和菓子を食べるときにはそのお店の「味」に注目してみてくださいね。

次回は12月7日(木)の放送です!お楽しみに★
 
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