和菓子のはなし ~日本で生まれた風習「十三夜のお月見」のはなし~
和菓子のはなし ~日本で生まれた風習「十三夜のお月見」のはなし~
2024.10.03
RKCラジオで毎月第1木曜日の午前10時35分頃から放送している「和菓子のはなし」

和菓子の魅力、美味しさを、創業元禄初年(1688年)西川屋老舗・池田真浩さんと楽しくお伝えしています。

今月紹介するのは、秋のお月見は十五夜だけじゃない!「十三夜のお月見」ついて。


 
『10月15日は十三夜のお月見』
秋といえばお月見ですよね🌕
今年の十五夜は9月17日でした。
お月見といえば十五夜ですが、もうひとつ「十三夜のお月見」というのがあるんです。
そもそも十五夜というのは、旧暦の8月15日の夜を指します。この日と並んで良い月が見られるのが、旧暦9月13日の夜、十三夜と言われています。
新暦で言うと、今年は10月15日です。
そのため、9月17日に見逃した方も10月15日に見られるチャンスがありますよ♪

十三夜は栗の収穫時期に当たるので、「栗名月」とも呼ばれます🌰
十五夜と同じく、お月様にお供えをする風習があります。お団子はもちろん「栗名月」というだけあって、栗をお供えすることもありますよ。
『十三夜にちなんだ和菓子 西川屋の栗豊穣』
今回、十三夜にちなんだ創作菓子を西川屋で販売しているということで紹介してくれたのが「栗豊穣」



栗の入った焼饅頭なんですが、ちょっと珍しいつぶ餡入りです。
栗は、和菓子ではしっかり味と香りがある素材なので、その味わいをストレートに出すためにあっさりした白餡を用いるのが一般的です。一方、つぶ餡は餡子自体に豆の風味があります。栗のまろやかな味を、また一つ違った、ちょっと力のあるぜいたくな味わいで楽しませてくれますよ!

ちなみに十五夜は中国から伝わった風習なんですが、十三夜は日本で生まれた風習です。
元々は十五夜と同じ場所で過ごすのが良いとされていました。どちらか片方の月しか見ないことは「片見月」とか「片月見」とか言われて、避けるべきだとも言われます。そのため江戸時代には十五夜を一緒に過ごした相手に対して、粋な誘い文句として「十三夜も一緒に同じ場所で見ましょう」なんて伝えることもあったようです。

この季節といえばやっぱりいも・くり・かぼちゃと、食欲の秋ですよね。
西川屋では、そんな秋の味覚のたっぷり詰まった催事「西川屋の豊穣祭」を10月いっぱいまで開催しています!十三夜の栗名月にぴったりの、栗のお菓子もたくさん。栗の甘露煮を入れた『栗もなか』、四万十栗の濃厚な味わいが楽しめる『四万十栗きんとん』、刻み栗の載ったお団子『豊穣だんご』などなど、お月さまを眺めながら召し上がってみるのもいいかもしれませんよ♪



次回は11月7日(木)の放送です!お楽しみに★
 
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