BOOKS ランキング＆今週のおすすめの一冊 2025/2/11放送｜ぐるぐるこうち～高知の"気になる"をあつめたwebメディア～

BOOKS ランキング＆今週のおすすめの一冊 2025/2/11放送

2025.02.11

毎週火曜日9時20分頃から、RKCラジオの「とさこちラジオ」で放送しているBOOKSランキング!

2月11日に放送した内容をご紹介します★

『2月11日放送 BOOKSランキング！TOP10』『今週の初登場作品！』『今週のおすすめの一冊』

『2月11日放送 BOOKSランキング！TOP10』

🔻ランキング🔻※2月5日付

1位ゲーテはすべてを言った
　鈴木結生著＜朝日新聞出版＞　

2位やなせたかし　みんなの夢まもるため
やなせたかし他著＜NHK出版＞

3位今さら聞けない睡眠の超基本　ビジュアル版
　柳沢正史著＜朝日新聞出版＞

4位頭のいい人が話す前に考えていること
　安達裕哉著＜ダイヤモンド社＞

5位日曜市の歩き方マップ
文石川藍・かずさまりや / イラスト　いそのけい

6位 DTOPIA
　安藤ホセ著＜河出書房新社＞

7位歌集ゆふすげ
　　美智子著＜岩波書店＞

8位本当の自由を手に入れるお金の大学
両＠リベ大学長著＜朝日新聞出版＞

9位生殖記
朝井リョウ著＜小学館＞

10位とさぶんたんのぶんこちゃん
松田雅子文 / 三本桂子絵＜アトリエよくばり子リス＞

『今週の初登場作品！』

今週のランキング初登場!

『とさぶんたんのぶんこちゃん』松田雅子文 / 三本桂子絵＜アトリエよくばり子リス＞
「文旦好きがこうじて」の著者、松田雅子さんの文旦への熱い思いが1冊の絵本に。風に吹かれて木から落ちてしまった、土佐文旦ぶんこちゃんの物語。

2/16（日）午前11:00~午後4:00
高知市帯屋町の金高堂書店本店前ウッドデッキにて出版記念イベント有り！

『今週のおすすめの一冊』

「楽園の楽園」
伊坂幸太郎著＜中央公論新社＞

作家生活25周年記念の伊坂幸太郎さんの最新刊を紹介します。
舞台は近未来、世界は大規模停電や感染症の蔓延、大きな地震など立て続けに起こり、急速に混乱に陥りました。すべては連鎖的に起こったと考えられ、原因であるとされる『天軸』と呼ばれる人工知能と、それを作った〈先生〉という人を捜すため、3人の強者が招集されました。

超人的な運動神経と驚異的な免疫力を持つ、五十九彦(ごじゅくひこ)、三瑚嬢(さんごじょう)、蝶八隗(ちょうはっかい)は、〈先生〉が描いた巨大な樹木の絵画『楽園』から手掛かりを得て、捜索の長い旅に出ました。

「西遊記」を連想させるキャラクター3人と、天竺ならぬ『天軸』。わくわくする冒険物語が始まりそうですが、この世界を支配するのは人工知能(AI)です。もともと『天軸』の場所を導き出したのもAI。３人の行く先を阻んでくるのもAIです。その対極にあるのは『楽園』の絵に描かれているような自然です。

三瑚嬢が、動物にくっついて種子を運んでもらうオナモミや、アオムシを撃退するために匂いを出して蜂を呼ぶキャベツなど、自分で動けないからこその植物の知恵だと2人に語ります。この天変地異は本当にAIのせいなのか、楽園は本当に存在するのか。便利になりすぎた私たちに警鐘を鳴らしてくれているような物語です。

あっという間に読み切ってしまえるスピード感のあるストーリーですが、その中でも、3人のキャラは、仲がいいわけでも悪いわけでもないけれど、過酷な道中のとりとめのない会話に不思議な連帯感を感じました。それぞれに物語がありそうなのでまたどこかで出会いたい3人です。

不思議な伊坂ワールドがコンパクトに詰まった1冊です。大人の絵本のようなシックな表紙と挿し絵に注目してみてください。

金高堂書店本店スタッフ