BOOKS ランキング＆今週のおすすめの一冊 2025/1/28放送｜ぐるぐるこうち～高知の"気になる"をあつめたwebメディア～

BOOKS ランキング＆今週のおすすめの一冊 2025/1/28放送

2025.01.28

毎週火曜日9時20分頃から、RKCラジオの「とさこちラジオ」で放送しているBOOKSランキング!

1月28日に放送した内容をご紹介します★

『1月28日放送 BOOKSランキング！TOP10』『今週の初登場作品！』『今週のおすすめの一冊』

『1月28日放送 BOOKSランキング！TOP10』

🔻ランキング🔻※1月22日付

1位歌集ゆふすげ  ※初登場！
　美智子著  ＜岩波書店＞　

2位やなせたかしみんなの夢まもるため
やなせたかし他著＜NHK出版＞

3位今さら聞けない睡眠の超基本ビジュアル版
　柳沢正史著＜朝日新聞出版＞

4位人生の壁
　養老孟司著＜新潮社＞

5位おばけずし
苅田澄子作/柴田ケイコ絵＜金の星社＞

6位日曜市の歩き方マップ
　文石川藍・かずさまりや/イラストいそのけい

7位本当の自由を手に入れるお金の大学
　　両＠リベ大学長著＜朝日新聞出版＞

8位なぜ働いていると本が読めなくなるのか
三宅香帆著＜集英社＞

9位 DTOPIA ※初登場！
安堂ホセ著＜河出書房新社＞

10位ゲーテはすべてを言った ※初登場！
鈴木結生著＜朝日新聞出版＞

『今週の初登場作品！』

今週のランキング初登場!

『歌集ゆふすげ』美智子著＜岩波書店＞
上皇后美智子様が昭和から平成の終わりにかけて詠んだ466首を収録した歌集。

『DTOPIA』安堂ホセ著＜河出書房新社＞
2024年第172回芥川賞受賞
舞台は南の島ボラ・ボラ島。ミスユニバースを巡って、世界各国10人の男たちが争う恋愛リアリティショー。

『ゲーテはすべてを言った』鈴木結生(ゆうい) 著＜朝日新聞出版＞
2024年第172回芥川賞受賞
ゲーテの研究者である、学者博把統一は、彼の知らないゲーテの名言と出会う。本当にゲーテのことばなのか、膨大な原典を読み漁り、長年の研究生活の記憶を辿るが…。
創作とは何か、学問とは何か、という深遠な問いを投げかけながら、読者を思いがけない明るみへ誘う。若き才能が描き出す、アカデミック冒険譚！

『今週のおすすめの一冊』

「米澤屋書店」
米澤穂信著＜文藝春秋＞

　様々な本を読んでいると、自分の中で自然と好きな作家さんというものが分かってきたりします。そして度々思ってしまうのです。「どうしたらこんな作品書けるのだろう。この作家はどんな本を読んできたのだろう」と。
今回ご紹介するのは、人気ミステリー作家であり、私の好きな作家のひとりである米澤穂信さんが学生時代から読んできた本をめぐるエッセイ、書評などをまとめた本好きにはたまらない1冊です。

タイトルはその名も「米澤屋書店」。まさに著者が読んできた本が一堂に並ぶ本棚のごとき1冊です。米澤穂信さんといえば、ミステリー作品を中心に多くの賞を受賞するほど実力もある人気作家です。そんな人気作家も実はとても多くの本を読んできた読書家だということを、多くの人はあまり意識したことはないかもしれません。ですが、この本を読めば思わず感心してしまうはずです。この1冊で紹介している書籍だけでも約700作品もあり、古今東西様々な作品たちが読書好きの心をくすぐります。また著者の読書遍歴が分かるのはファンにとっては非常にありがたくもあります。

たくさんの書籍が紹介されていますが、この本で紹介されている作品は巻末の「作品名索引」と「作家名索引」で調べることができる親切設計なので気になった書籍は後でチェックすることも可能です。どのページで紹介されていたか分からなくなることがないので、読み終えた後、気になった作品を探す際もとても便利です。

この本のおすすめポイントは他にもあります。それは著者による注釈の面白さです。紹介される作品はもちろんのこと、著者が書いたエッセイや書評内の自分自身の言葉への解説などが注釈に書かれています。まじめな解説はもちろん過去の自分の言葉へのツッコミなど、非常に著者らしさが表れていて毎回注釈を見るのが楽しみになってきます。これまで書かれたエッセイや書評をまとめただけでなく、こうした後付けの解説があるのもこの本の面白いところであり、著者のことを身近に感じることができます。

　最後に、ご紹介した本は2021年に単行本として発売されていますが、文庫化のために大幅加筆がされています。単行本をお持ちの人でも一読の価値がありますので、この本が気になったという方はぜひ文庫版をお求めください。

金高堂土佐山田店スタッフ