やって来たのは高知県東部にある安芸市。
安芸市街地から車で約40分ほどの山間部にある「畑山（はたやま）」という地区にあるのが「ジローのおうち」です。（山道は少し狭いのでゆっくりと安全運転で🚗）





県内だけでなく、県外からのリピーターや鶏料理専門店の人も勉強しに訪れるという高知を代表する名店！海外からの訪問客も！



こちらは元々「はたやま憩いの家」として営業していましたが、場所を少し移し3年前の2022年に「ジローのおうち」として新たにOPENしました。

土佐ジローとは、高知県の天然記念物・土佐地鶏とロードアイランドレッドを掛け合わせた高知県産の地鶏。成長しても1.5kgほどで、大きさは一般的なニワトリの半分程度の小型の鶏です。

ジローのおうちではこの土佐ジローを育て、さばき、提供までしています。
この一貫したシステムだからこそ、堪能できるのがこちらの「土佐ジロー満喫コース」（1人8,800円 写真は1人前）





ボーンブロススープとは、土佐ジローのガラから旨味を抽出したスープ。
土佐ジローの力強い味わいに鶏の脂から出るコクと甘みが広がります。



そしてしゃぶしゃぶ。
鶏冠（トサカ）や白子など希少な部位をいただけるのはジローのおうちならでは！



もちろんしゃぶしゃぶの出汁も土佐ジローからとったもの。





鶏冠はコリっとした食感とサクッとした歯触りが楽しめる、まさに珍味！
白子はねっとりとクリーミーな味わいで、くどさやクセは無く、口の中でとろりと溶けていく感動の美味しさ!!

そして炭火焼き。もも・むね・ささみ・皮・砂肝・鶏冠・白子・レバー・ハツ・ホルモン、計10種類。こちらが1人前の量！かなりのボリュームです！







ピカピカに輝いているのはやはり抜群の鮮度だからこそ。

これらを目の前で一通り焼き上げてくれるのが、小松靖一さん・圭子さん夫婦です。
この日、担当してくれたのは女将の小松圭子さん。
土佐ジローを徹底的に知り尽くした二人だからこそ、完璧な焼き方・食べ頃で提供してくれます。





炭火は安芸市で生産されている土佐備長炭。弱火でじっくりと焼き上げられていきます。



味付けは塩だけ。シンプルだからこそ、土佐ジローの濃い旨味が分かります。



小松さん夫婦は土佐ジローをできる限り自然の姿で育てたいと、飼育は土の上で行っているそう。なので、肉自体に臭みがなく砂肝もプリっとした弾力が楽しめます。歯触りもよく、砂肝1つでもこんなに違うのか…と驚いてしまいました。

レバーの焼き加減もしっかり焼くのと軽く焼くのでは全く違う美味しさに。
部位や食べ方もひとつひとつ丁寧に説明してもらえるので、食事がより楽しく・美味しくなります。

ちなみに女将のイチオシはホルモンとのこと！なかなか食べることができない貴重な部位です。（写真中央下 鶏冠の左）



 

小松さんが一通り焼き上げてくれると、後は自分たちで焼いていきます。



鶏冠はしゃぶしゃぶの時と違って、焼くと旨味が凝縮されて、これまた美味しいっ!!



しっかりと上手な焼き方もレクチャーしてくれたので、初心者でも安心。

そして味変には「自家製のゆの酢」



自家栽培の無農薬のユズと高知県産天日塩2種類をブレンドした塩で作ったゆの酢です。

絶妙な酸味は、肉との相性が抜群！味わいがガラっと変わってさっぱりと食べられます🎶



炭火焼きが食べ終わる頃にはミニサイズの「土佐ジローの親子丼」が登場！



半熟の卵にジューシーなお肉。優しい味付けで、しゃぶしゃぶ・炭火焼きを堪能した後でもペロっと食べ尽くしてしまう美味しさです。しめにもピッタリ。



ジローのおうちでは、ランチタイムにこの親子丼が楽しめるコース（1人 3,300円）もありますよ。ランチメニューはこちら▼



そして最後には土佐ジローのアイスクリームも。



ランチは2時間ほどで終了。今日いただいたランチメニューは1人8,800円と決して安くありませんが、それでもまた絶対来たい！と思わせてくれる充実感と満足感！
高知の山奥ですが、わざわざ行きたいという人が後を絶たないのも納得です。

宿泊もできるので、土佐ジローと一緒に美味しいお酒をゆっくりと味わうのも良いですね。（1日2組限定）

実は1月・2月が宿泊では狙い目だと教えてくれました！
週末にも空きがあるそう。大人気のお宿なのでHPから早めにチェックしてみてください。

【ジローのおうち】
〒784-0061 高知県安芸市畑山甲1001-2
〇営業時間：ランチ ＜3ヶ月前から、3日前まで予約可能＞
  スタート時間 満喫コース ①11:30 ②12:30 / 親子丼定食 ①11:45 ②13:00
  ※親子丼定食の場合、席は1時間での入替制
〇定休日：不定休
〇電話番号：070-1494-7689 予約は電話・HP
※問い合わせはLINEでも受付
〇支払放送：現金・各種クレジットカード・電子マネー
〇その他：完全予約制・ランチは事前決済

女将の小松圭子さんに土佐ジローの魅力・想いを聞きました。



圭子さんは愛媛県出身。大学生の頃、田舎ボランティアのモニターツアーで安芸市に来たのが高知との縁の始まりです。
その時にご主人である小松靖一さんと出会ったそう。靖一さんは元々鶏卵用として育てられていた土佐ジローを初めて「肉」としても楽しめるようにしたすごい人！当時、故郷である安芸市畑山の地域活性化に奮闘していました。


（ご主人の小松靖一さん）

一次産業に興味をもっていた圭子さん。社会人になって愛媛県の新聞社に就職してからも、頻繁にここ畑山を訪れていたと言います。
「（家畜を）嘘偽りなく、育てたい。それをやっているのは土佐ジロー以外になかった」



研究熱心で、土佐ジローにひたむきに向き合う靖一さんの姿にひかれたという圭子さん。圭子さんが27才の時に25才年上だった靖一さんと結婚します。実は二人は0日婚だったそうです…！

結婚当時、まだまだ知名度が低かった土佐ジロー。より広く知ってもらうために圭子さんが力を入れたのが広報でした。その甲斐もあり徐々に「土佐ジローが旨い」というクチコミが広がっていきました。

圭子さんに土佐ジローの魅力を聞いてみると
「自分たちのこだわりを理解してくれる人とつなげてくれる。大切な存在」と力強く語ってくれました。

「畑山で暮らし続けることが目標です。これからも土佐ジローの魅力を通じて、より多くの人に畑山地区を訪れるようになってもらいたい」

現在、居住者は20人程度という限界集落の「畑山地区」。
小松さん夫婦の想い・こだわりをいっぱい受けて大切に育てられた土佐ジローが地域活性化の大きな力となっています。