第23回 「新緑の大野見と新たな七面鳥」
第23回 「新緑の大野見と新たな七面鳥」
2024.05.15
大阪府藤井寺市出身、高知県中土佐町在住の松下昇平さん。水曜コラム「大野見と七面鳥」は、毎週水曜日に更新予定です。

第23回目の今回は「新緑の大野見と新たな七面鳥」と題してお送りします!

※内容は2024年5月時点での情報です
『今が一番いい季節!大野見米の田植えもスタート』

いま大野見は1年の中でも最も良い季節かもしれません。朝の気温は10℃くらいなので肌寒く感じますが、日中は20℃前後になり、四万十川からの心地よい風が本当に気持ち良いです。つい先日、一足先に四万十川開きをしました。川の水はまだまだ冷たいですが、程よい冷たさで、日中の太陽と相性抜群です。


 
大野見を流れる四万十川は196kmのうち、18km~36kmの区間が大野見を流れています。地名に「四万十」という名称が入っていないこともあり中土佐町と四万十川が結びつかない印象があるかもしれませんが、平成18年に太平洋に面した鰹のまち「中土佐町」と標高300m地点に位置する四万十川源流の村「大野見村」が合併し、現在の中土佐町となりました。
我々が行っている七面鳥生産はこの四万十川源流地域の大野見で60年ほど前から始まり、現在に至ります。


 
写真はつい先日、撮影したものですが(ここからの景色が好きなので、ボクのSNSやコラムではこの写真が多いと思いますが、毎回撮影していますので、日々写り方が違いますので懲りずにご覧いただければ嬉しいです)

この季節は四万十川と新緑が目に優しく、晴れた日は濃い緑と川と空、それぞれのブルーが美しい限りです。この大野見地域は面積の97%を山林が占めているので、改めて人間が自然の中にお邪魔しているなぁ、という気持ちになります。そして、この季節の大野見といえば「田植え」の始まりです。


 
先週あたりからそれぞれの田んぼに水が入り、今週にかけて順番に田植えが始まり、普段の自然の音に加え、トラクターの音が混じり、これまた季節を感じます。
大野見は標高300m地点に位置していますが、標高のわりに平地が多く、写真のように田んぼ一枚の面積が山間部にしては大きく取れています。
大野見のコメは寒暖差と土の良い影響を受け、「大野見米」としてファンも多くいらっしゃいます。
さらに大野見米のポイントなるのが「水路」です。大野見は水路の整備がしっかりと整っており、各地域、各田んぼへ四万十川流域ならではの美しい水とその豊富な水量が田んぼへ流れ込みます。
 


大野見にお越しになった際は四万十川ももちろんですが、地域全体に血管のように張り巡らされた水路にも注目いただきたいです。様々な形で地域を貫く水路と美しいと水と水量。いつ見ても感動します。(水路特集はまた別の機会に聞いてください…)

しかしながら、大野見という地域はさほど大きな面積を持つ地域ではなく、コメの収量が限られていることから市場にはあまり出回らないことから、知る人ぞ知る、コメというところに落ち着いています。
『3月から5月にかけては七面鳥のヒナも誕生!』
さて、今週の最後にはなりますが、七面鳥生産にとってもとても大切な季節になります。3月から5月にかけて、新たな命が生まれています。我々の七面鳥生産はこの春の季節が繁殖期間となり、親鳥から卵が産まれ、その卵から七面鳥のヒナが誕生します。
 


写真は生後1日の七面鳥のヒナです。大人の手のひらくらいの大きさです。
ヒナの期間は寒さに弱く、生後1か月くらいまでは暖かくした木箱の中で成長を見守ります。


 
季節の変化とともに七面鳥の成長も日々進んでいきます。
新たな命と向き合いながら、大野見七面鳥生産組合としては今年38年目となります。

七面鳥生産と現在やこれまでの歴史、これからの未来についてもこのコラムでも綴っていくことができればと思っております。
今週もここまでお付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。
 
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松下昇平
高知県中土佐町在住、大阪府藤井寺市出身。1988年3月9日生まれ。
2017年、中土佐町大野見地域で60年続く七面鳥生産の仕事に魅力を感じ中土佐に移住。
「大野見と七面鳥」について様々な角度、形で学び、発信しています。
コラムは毎週水曜日更新予定!
 
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