和菓子のはなし ~水羊羹と砂糖の意外なはなし~
和菓子のはなし ~水羊羹と砂糖の意外なはなし~
2024.08.01
RKCラジオで毎月第1木曜日の午前10時35分頃から放送している「和菓子のはなし」

和菓子の魅力、美味しさを、創業元禄初年(1688年)西川屋老舗・池田真浩さんと楽しくお伝えしています。

今月紹介するのは、夏の定番和菓子水羊羹ついて!

『夏の風物詩「水羊羹」 ○○県は冬の風物詩?!』
今回池田さんが紹介してくれたのは、暑い時期の和菓子の代表格水羊羹



夏のイメージが強い水羊羹ですが、実は水羊羹が「冬の風物詩」という県が全国にはあるそう。それが福井県

一説には、江戸時代から昭和まで続いた丁稚奉公のお土産に由来すると言われます。京都などに奉公に出ていた子どもが、年末年始、福井にお土産として練羊羹を持って帰ってきていました。それに水と寒天を足してかさ増しして食べたことが、福井の水羊羹の始まりと言われています。
『昔から重宝されてきた砂糖の意外な役割って?!』
そしてお菓子と言えば欠かせないのが砂糖
その歴史を振り返ってみると、薬として使われていた一面もあるんです。薬としての使い方でわかりやすいのが「矯味(きょうみ)剤」。これは味付けのこと。苦い薬を飲みやすくするために使われていました。
また薬の形や量を調整する「賦形(ふけい)剤としても使われていました。

他にも、体力が衰える病の患者には、栄養補給の目的で用いられていたそうです。エネルギー源として昔から知られていたんですね。

日本の薬の歴史には、中国から伝わってきた漢方とオランダから伝わってきた蘭方の2つがありますがどちらも薬の配合の中に砂糖が登場します。

さらに日本に渡ってくる前の中国の民間療法までさかのぼると、もっと面白い記述もあると池田さんが教えてくれました。

それは「虎に襲われてできた傷に砂糖水を塗ると治る

当時の人々は、砂糖には人を元気にしてくれる力があると信じていたから、このような記述が残っているんでしょうね!

まさに夏本番のこの季節、うだるような暑さの中でちょっと涼やかに一息入れたいなというときは、ぜひ、水羊羹で一息入れられてはいかがでしょうか!?

次回は9月5日(木)の放送です!お楽しみに★
 
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