和菓子のはなし ~『芋けんぴ』のはなし~
和菓子のはなし ~『芋けんぴ』のはなし~
2026.01.30
RKCラジオで毎月第1木曜日の午前10時35分頃から放送している「和菓子のはなし」
(※2026年1月は第5週に放送)

和菓子の魅力、美味しさを、創業元禄初年(1688年)西川屋老舗・池田真浩さんと
楽しくお伝えしています。

今回紹介するのは、芋けんぴついて!!



※2026年1月時点での内容です

★1月29日の放送はこちらから
『何気ない一言から生まれた「芋けんぴ」』
1月7日(水)は「ケンピの日」でしたが、今回池田さんが持ってきてくれたのは『芋けんぴ』
焼菓子のケンピは江戸時代、『芋けんぴ』は大正時代に生まれたお菓子と言われています。

日本がどんどん工業化していった明治~大正時代、高知県の安芸の周辺にはでんぷん工場が多くあり、でんぷんの原料にするために芋づくりが盛んに行われていたそうです。

その安芸でお菓子づくりをしていた人のもとに、ミカン売りの行商人がやってきて「ミカンの皮に砂糖をまぶしたお菓子を作ってみては」と声をかけたことがヒントとなり、細切りにして油で揚げたサツマイモに砂糖を溶かした蜜を絡めて、新しいお菓子が誕生しました。

その細長い形がケンピに似ていたことから、そのお菓子を『芋けんぴ』と呼ぶようになったというわけです。
 
『単純に見えて、実は職人技のお菓子』
西川屋の『芋けんぴ』で特徴的なのが、その見た目。



最近よく目にする『芋けんぴ』は芋の表面に蜜が飴のように薄くかかっていますが、西川屋の『芋けんぴ』は、蜜がところどころ白く固まっていて、結晶ができています。これは大正時代に『芋けんぴ』が発祥した当時にルーツのある製法です。

この結晶は、糖蜜に漬けた芋の素揚げをバットの上に広げて、自然乾燥させて作ります。
ただ、そのまま置きっぱなしだと底の方にどんどん蜜がたまっていってしまうため、少し置いてはかき混ぜ、少し置いてはかき混ぜ…と、何度も手を掛けてあげないといけません。
しかし、乱暴に速いペースでかき混ぜすぎると、芋の表面でできつつある砂糖の結晶がバラバラになって、蜜の結晶が育ってくれません。
単純に見えて、実は職人技のお菓子なんです。

蜜が飴状に掛かった芋けんぴはカリカリっとした小気味よい食感です。それに対して、この『芋けんぴ』はほろほろっとした食感で、少し脆さがあるんです。中までよく蜜が染みて、結晶が育っているからこそ独特の食感があります。

この糖蜜の部分、よ~く気を付けて食べると、少ししっとりしたように感じるそう。
砂糖には保水性があるので、一見カラカラに乾いた見た目ながら、口当たりは優しく、微かな潤いが芋の香りを広げるんです。芋けんぴは「芋菓子」と呼ばれますが、「砂糖菓子」でもあるんです。

今回は、砂糖の味わいと芋の味わいを楽しめる『芋けんぴ』についてご紹介しました。
次回は2月5日(木)放送です。お楽しみに!
 
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