和菓子のはなし ~水まんじゅうのはなし~
和菓子のはなし ~水まんじゅうのはなし~
2025.07.04
RKCラジオで毎月第1木曜日の午前10時35分頃から放送している「和菓子のはなし」

和菓子の魅力、美味しさを、創業元禄初年(1688年)西川屋老舗・池田真浩さんと
楽しくお伝えしています。

今回紹介するのは、暑い日にぴったり水まんじゅうついて!!



※2025年7月時点での内容です

『明治時代に生まれた水まんじゅう』
暑い時期の和菓子と言えば、瑞々しいものがたくさんありますが、今回池田さんが持ってきてくれたのは水まんじゅう



水まんじゅうとは、主に葛でつくった、透き通ったプルプルした生地の中に、あんこを包んだお菓子で明治時代に岐阜県の大垣で生まれたそうです。

池田さんもこの街を訪れたことがあるそうで『「水の都」と言われるほどきれいな水に恵まれたところ』と教えてくれました。

大垣の街を歩いていると、和菓子店の前に井戸舟と呼ばれる井戸水を受ける水槽があるそう。その幅は大人が腕を広げたぐらいで、底にはスノコが敷かれています。

竹筒を通して井戸水が注がれている水槽の中には色とりどりのお猪口が並べられていますが、その中で揺れている透き通った丸いお菓子が『水まんじゅう』。

冷蔵庫やエアコンが無かった時代は井戸水でものを冷やして、見た目にも涼やかにしていたんですね。
『土佐藩の資料にも登場する葛菓子』
その後、水まんじゅうは全国各地に広まっていきました。

広まった理由のひとつについて池田さんによると「葛製の透き通った生地であんこを包むというのが、和菓子の定番だったこともあるのでは」と教えてくれました。

水まんじゅうのように、葛でできた生地にあんこを包み込むお菓子は、江戸時代の土佐藩の資料にも!

土佐藩主・山内家に伝わる「生菓子図案集」を紐解いてみると猩々(しょうじょう)饅頭という、紅色の真っ赤な葛製の生地であんこを包んだお菓子が出てきます。

同じページには黄色の葛生地であんこを包んで山吹饅頭と名付けたお菓子も掲載されています。

暑い日には涼やかな水まんじゅうで「涼」を感じてみてはいかがでしょうか。

次回は8月7日(木)の放送です!お楽しみに★
 
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