和菓子のはなし ~6月の和菓子「水無月」のはなし~
和菓子のはなし ~6月の和菓子「水無月」のはなし~
2025.06.05
RKCラジオで毎月第1木曜日の午前10時35分頃から放送している「和菓子のはなし」

和菓子の魅力、美味しさを、創業元禄初年(1688年)西川屋老舗・池田真浩さんと
楽しくお伝えしています。

今回紹介するのは、6月の和菓子水無月ついて!!



6/5の放送

※2025年6月時点での内容です


 
『6月限定の和菓子・水無月!』
6月に入って2025年も半分の折り返し!ということで、今回池田さんが持ってきてくれたのは6月限定の和菓子水無月です。




水無月とは三角形のういろうに小豆を散らしたお菓子でポイントはやはりその形。白くて瑞々しいういろうを氷のかけらに見立てて三角形に切り出しているこの和菓子は蒸し暑くなってくるこれからの時期にぴったり。



冷凍庫など無かった昔は暑くなってくる時期に氷を食べるのはとても贅沢なことで「氷室」と呼ばれる涼しい山の洞窟の中に冬のうちに氷を貯蔵しておいて、夏に食べていたそうです。

その貴重な氷をお菓子で再現したのがこの『水無月』!確かに、見た目から涼を感じますね。 
『輪抜け様と水無月』
ちなみにこの「水無月」は6月30日に開催される「輪抜け様」にちなんだお菓子でもあるんです!

輪抜け様の日には神社の前に茅で編んだ輪が作られて、参拝者は左、右、左と8の字を描くようにくぐる茅の輪くぐりでお馴染みです。これは一年の半分、折り返し地点の6月にこれまでの穢れを祓って、あと半年を無病息災で過ごせますようにと願って行われます。

この「輪抜け様」というのは高知独特の呼び方で、全国的には「夏越の祓」と呼ばれているのは、高知県民はあまり知らないかもしれませんね。

この輪抜け様、池田さんは初代土佐藩主・山内一豊候が祀られている山内神社に参拝にしているそうです。山内神社にはふさふさとした、いかにもパワーがもらえそうな茅の輪が設けられているそうですよ。

ちなみにこの行事はかなり歴史が古く、平安中期の勅撰和歌集『拾遺和歌集』には、「六月(みなづき)のなごしの祓(はらへ)する人は千とせの命延ぶといふなり」との歌が記されており、古くから民間でも大切にされてきたことが伺えます。

『水無月』は、上に小豆を散らしていますが、これも厄除けの縁起物!小豆の赤い色は太陽や火の色であり、生命力を象徴することから、邪気を払うといわれています。



この『水無月』は、特に京都では6月の定番のお菓子として親しまれています。近年は他の地域にも広まりつつあるそう。高知県内にも『水無月』を作る和菓子店は県内にもいくつかあるそうです。ぜひ、お近くの和菓子屋さんを覗いてみてください。西川屋では6月いっぱい販売しているそうです!

茅の輪をくぐって、『水無月』を食べてリフレッシュして残り半年を元気に過ごしたいですね。

今回は『水無月』にまつわる和菓子のはなしでした。

次回は7月3日(木)の放送です!お楽しみに★
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