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「スイミー」など世界で愛され続ける絵本を生み出した作家の軌跡を振り返る『レオ・レオーニと仲間たち』高知県立美術館
「スイミー」など世界で愛され続ける絵本を生み出した作家の軌跡を振り返る『レオ・レオーニと仲間たち』高知県立美術館
2026.06.12
7月2日(木)まで高知県立美術館で開催されている『レオ・レオーニと仲間たち』
四国初開催で、レオ・レオーニや交流のあった作家の作品約300点が展示されています!



『スイミー』『あおくんときいろちゃん』など、刊行から60年以上を経ても世界中で読み継がれる名作絵本を生み出したレオ・レオーニ(1910–1999)。
このイベントでは絵本作家としてのみならず、画家・彫刻家・デザイナーとしても活躍したレオ・レオーニの多彩な創作活動を、20世紀の文化史の流れの中で辿っています。


今回は展示作品の一部を、レオ・レオーニの生涯を振り返りながらご紹介します。

※2026年6月9日取材
※掲載している内容は取材当時のものです
※取材のため、特別に撮影させていただいている作品があります
『芸術を愛する家に生まれたレオ・レオーニ』
7月2日(木)まで高知県立美術館で開催されている『レオ・レオーニと仲間たち』
会場は2階の展示室B・Cで、展示室BからCへと進みながらレオの生涯と作品をたどる構成になっています。


※展示室Bは入口エリア付近のみ写真撮影可能です

レオ・レオーニはオランダ生まれ。
建築家や絵画の収集が好きな親戚がいる一家で育ち、レオ自身もアーティストを志していました。
しかし、芸術学校には通わず、独学でデザインを学びました。





高校生の頃には、世界的に有名なリキュール製造会社「カンパリ社」に自らデザインした作品を売り込みます。
それがこちらの作品。



結果は不採用だったそうですが、若いころから才能が伺えますよね。

その後、レオはイタリアの製菓会社・モッタの広告宣伝部門などでデザイン制作に携わり、さらに多くの広告関連の仕事を手がけていきます。



写真を切り貼りするなど、独自の表現を追求しながら活動の幅を広げていきました。


 
『アメリカへ移住後、フリーのデザイナーとして活躍の場を広げる』
その後、レオはイタリアからアメリカへと拠点を移します。
ユーモアでモダンなイラストが高く評価され、広告代理店勤務を経て、フリーのデザイナーとして活躍の場を広げていきました。



こちらは、アメリカ三大テレビネットワークのひとつ「CBS放送」の作品。



さらに、著名な経済・ビジネス雑誌「フォーチュン」では社外アートディレクターを務め、表紙デザインも担当しています。



そして、タイプライターや計算機の製造で知られている「オリベッティ」のための作品がこちら。



モダンでユーモアのある表現は、多くの企業やメディアから支持され、彼の創作活動の大きな柱となっていきます。
 
『仲間たちとの交流の中で創作を深める』
企画展名「レオ・レオーニと仲間たち」とあるように、今回の展示はレオと交流を深めた“仲間たち”にも焦点が当てられています。



美術家やデザイナー、絵本作家などとして活躍したブルーノ・ムナーリは、レオとほぼ同年代のイタリアの美術家で、ニューヨークで交流を深めました。
会場にはクリスマスカードや手紙のやり取りも展示。1991年のカードが残されていることから、2人の交友が晩年まで続けていたことが分かります。



レオは、画家や映画監督として活躍していたエマヌエーレ・ルッツァーティとも家族ぐるみで親しくしていました。
レオーニ家に残るルッツァーティからのグリーティングカードは、遊び心のある仕掛けが工夫された楽しいものばかり。



孤高のイメージを持たれがちな美術家ですが、レオは多くの仲間たちとの交流の中で創作を深めていたことが伝わってきます。
 
『孫とのやりとりをきっかけに始まった絵本づくり』
ここからは展示室Cの作品についてご紹介します。
*展示室Cの作品はすべて写真撮影可能です

レオ・レオーニといえば、やはり絵本作家としてのイメージが強いのではないでしょうか。
レオの絵本づくりは、孫たちとのやりとりをきっかけに始まりました。

こちらの「あおくんときいろちゃん」は、レオーニが49歳のときに初めて発行した絵本で、孫たちが退屈しているのを紛らわすためにつくった作品です。



そして第4冊目の「スイミー」では、小さな魚のスイミーがさまざまなこと体験し、自分の存在を社会の中で見つけていく姿が描かれています。
教科書で読んだことがある方も多いのではないでしょうか。
モノタイプやスタンプを用いたこの作品は、レオにとって物語絵本のひとつの完成形となりました。



そして「フレデリック」



レオの絵本に繰り返し描かれている“ねずみ”はこの作品で初めて登場します。
レオ自身が「フレデリックは自分だ」と語るほどお気に入りのキャラクターで、紙を貼り合わせる“コラージュ”技法で作られています。



会場には、コラージュする前の素材の状態も展示されていて、制作過程を垣間見ることができます。



そして、ひとつのやり方に固執することなく、各絵本にふさわしい表現を吟味して、作品によって多様な技法や描き方がみられるのもレオの絵本の特徴。
レオの絵本には動物が主人公の作品が多く登場しますが、それはレオ自身が「動物のほうが感情移入しやすい」と考えていたからだそうです。



さらに奥には、実際に絵本を読めるコーナーも設けられていて、展示された作品の絵本をその場で手に取って楽しむことができます。



これだけの絵本が一度に揃う機会はなかなかありません。
ぜひ手に取って読んでみてくださいね。


 
『自分の生涯を振り返って制作「黒いテーブル」』
レオは9歳の誕生日に叔父から黒いテーブルを贈られ、絵を描く「アート」のテーブルとして使われました。
プレゼントされたとき、なぜ黒なのかと質問した母に叔父は「黒い色の上ではどんなものでも映えるからだ」と答えたそうです。

この幼少期の思い出をもとに、80歳を過ぎたレオが自分の生涯を振り返って制作したので「黒いテーブル」シリーズ。
黒いテーブルの上にレオの生涯を彩った思い出の品々が描かれ、レオの歩みそのものが静かに浮かび上がる作品となっています。




 
『体験や絵本読み聞かせも♪』
この企画展でオススメなのが「ふらっとアート体験コーナー」!



ここではフロッタージュの体験ができます♪
フロッタージュとは、凸凹のものの上に紙を置いて、色鉛筆などでこすって模様を作るアート技法のこと。
絵本制作の中でもこのフロッタージュを取り入れた作品がありますよ。
ぜひ体験してみてください。



さらに、6月14日(日)午前10時からは、学芸員によるギャラリートークを実施!
学芸員方から丁寧な説明を受けながらレオーニの世界を楽しむことができます。
また、6月23日(火)午前11時から、絵本の読み聞かせも開催♪

両方とも[要観覧券・予約不要]です。

会場1階のグッズコーナーでは、作品グッズも取り扱っていますよ。





7月2日(木)まで高知県立美術館で開催されている『レオ・レオーニと仲間たち』
この機会にぜひ足をお運びください!
 
『イベント概要』
《レオ・レオーニと仲間たち》
開催場所:高知県立美術館 2階 展示室B、C
〒781-8123 高知県高知市高須353−2
  • 開催期間:2026年4月24日(金)~7月2日(木)
  • 開館時間:午前9:00~午後5:00(最終入館 午後4:30)
  • 入場料:一般 1,400円・大学生 950円・高校生以下は無料
  • 休館日:会期中無休

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