🔻ランキング🔻※10月1日付
 
1位 パンどろぼうとスイーツおうじ 
   　 柴田ケイコ 作 ＜KADOKAWA＞




2位 やなせたかし　はじまりの物語
        やなせたかし 作・絵 ＜フレーベル館＞
 


3位  「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか  
　　三宅香帆 著  ＜新潮社＞




4位 やさしいライオン 新装版
        やなせたかし 作・絵 ＜フレーベル館＞




5位 老活の愉しみ
        帚木蓬生 著 ＜朝日新聞出版＞   




6位 ラジオはパーソナリティ“次第”
        宮嵜守史 著 ＜ポプラ社＞




7位 ほんとうの中国 
        近藤大介 著  ＜講談社＞
 



8位 小説 8番出口
　　川村元気 著  ＜水鈴社＞




9位 愛するということ  
        エーリッヒ・フロム 著  ＜紀伊国屋書店＞　




10位 マンガで読み解くプロカウンセラーの聞く技術
           東山紘久 著 ＜創元社＞  　


 

今週のランキング初登場!

『ラジオはパーソナリティ“次第”』宮嵜守史 著  ＜ポプラ社＞
TBSラジオ「JUNK」統括プロデューサーによるラジオパーソナリティ論。
ラジオ番組の賛否を全面的に背負うパーソナリティ。その魅力や必要な能力、聴く人を味方につける技術とは。ジェーン・スー、山里亮太、おぎやはぎ、バナナマンなど、対談を通してラジオパーソナリティとは何かを考える。

『ほんとうの中国』近藤大介 著  ＜講談社＞
中国人と日本人。なにかとすれ違う背景には、日本人が知らない中国人特有の思考と行動原理が背景にあった。中国人は何を考え、どう行動するのか？日本を代表する中国ウォッチャーが鋭く答える。

「湯気を食べる」 
くどうれいん 著   ＜オレンジページ＞



今年も料理レシピ本大賞の季節がやってきました。

料理レシピ本大賞はその名の通り、料理のレシピ本はもちろん、お菓子やこどもの本、コミック、エッセイまで幅広く料理に関する本が対象となっている賞です。

数ある料理本から選出されたとあって、どれもこれも美味しそうで、料理本は写真集だと思っている私にとって毎年楽しみにしている賞です。今回はこの中からレシピ本ではなく、作家くどうれいんさんの料理エッセイ「湯気を食べる」をご紹介したいと思います。

この本は、雑誌オレンジページの人気連載や、主に宮城県で読まれている「河北新報」の連載、それに書きおろしを加えた、食にまつわる48編のエッセイが収められています。

私がこの本で大きいところを占めているなと思ったのは、くどうさんが「自炊することは自分自身を調律する行為」だと書かれているところです。料理をする場面がたくさん出てきますがどれも食材に対して愛が感じられ、この食材をどうしてやろうか、と考える様子に自炊することに対する真剣さが伝わってきます。ついついスーパーで普段あまりじっくり見ない野菜コーナーやスパイスコーナーを見てしまいました。
東北在住なので東北ならではの料理や食材であったり、旅先で手に入れたものであったり、本当に様々な食材が登場しますがそのどれもがくどうさんの手によって美味しいものになっていきます。

自炊する話以外にも家族や友人たちとの食にまつわるエピソードがあります。
表題作「湯気を食べる」では中学生のとき、夕食が出来るとお母さんが「ごはーん」と2階にいる子供たちに声をかけます。降りていってもすぐにはありつけない、これから食卓が完成します、のタイミングでいつも呼ばれたそうです。子供のころは、ここでお箸やお茶碗の準備を手伝うはめになるのが嫌だったそうですが、今考えれば出来立てあつあつの夕食にありつけるタイミングじゃありませんか！湯気ごと料理を食べられる尊い瞬間です。どうせまだ出来上がってないだろうと思っても一目散に食卓に駆けつけなければいけない「ごはーん」なのでした。

また、飲み友達との会食で「好きな食べ物は何ですか？と聞かれた時の最適解はなにか」という話題になったというエピソードでは、飲み仲間の友人が、どう答えてもバカっぽくなってしまう、という話にちょっと納得。「カレーライスです」とか「唐揚げです」だとどうしてもわんぱくさが出てしまってバカっぽく感じるとか。確かに、と思いながら自分の中の最適解を考えてしまいました。

胸にジーンとくる話もクスっと笑える話もわかる！と思う話も、どれもが食に対してちゃんと向き合ってることが伝わってくる1冊です。食欲の秋の方におすすめします。

朝倉ブックセンター　スタッフ