
BOOKS ランキング&今週のおすすめの一冊 2025/7/1放送
2025.07.01
毎週火曜日9時20分頃から、RKCラジオの「とさこちラジオ」で放送しているBOOKSランキング!
7月1日に放送した内容をご紹介します★
7月1日に放送した内容をご紹介します★
『7月1日放送 BOOKSランキング!TOP10』
🔻ランキング🔻※6月25日付
1位 クロエとオオエ
有川ひろ 著 <講談社>

2位 やなせたかし はじまりの物語
高知新聞社 編集 <高知新聞社>

3位 見るだけでわかる!!英語ピクト図鑑 ※初登場!
マーク 著 <プレジデント社>

4位 カフネ
阿部暁子 著 <講談社>

5位 知らないと恥をかく世界の大問題16 ※初登場!
池上彰 著 <KADOKAWA>

6位 チリンのすず ※初登場!
やなせたかし 著 <フレーベル館>

7位 やなせたかし物語
やなせスタジオ 作・絵 <フレーベル館>

8位 人生の結論
小池一夫 著 <朝日新聞出版>

9位 普天を我が手に 第一部 ※初登場!
奥田英朗 著 <講談社>

10位 ほどよく孤独に生きてみる
藤井英子 著 <サンマーク出版>

1位 クロエとオオエ
有川ひろ 著 <講談社>

2位 やなせたかし はじまりの物語
高知新聞社 編集 <高知新聞社>

3位 見るだけでわかる!!英語ピクト図鑑 ※初登場!
マーク 著 <プレジデント社>

4位 カフネ
阿部暁子 著 <講談社>

5位 知らないと恥をかく世界の大問題16 ※初登場!
池上彰 著 <KADOKAWA>

6位 チリンのすず ※初登場!
やなせたかし 著 <フレーベル館>

7位 やなせたかし物語
やなせスタジオ 作・絵 <フレーベル館>

8位 人生の結論
小池一夫 著 <朝日新聞出版>

9位 普天を我が手に 第一部 ※初登場!
奥田英朗 著 <講談社>

10位 ほどよく孤独に生きてみる
藤井英子 著 <サンマーク出版>

『今週の初登場作品!』
今週のランキング初登場!
「見るだけでわかる!!英語ピクト図鑑」 マーク 著 / プレジデント社
TOEIC300点台から940点へ、自身の英語力を劇的にアップさせた著者が、SNSで話題沸騰のピクトグラムで英語をわかりやすく解説する、今までにない英語学習本。
「知らないと恥をかく世界の大問題16」 池上彰 著 / KADOKAWA
世界、日本が抱える大問題を、歴史的な背景を交えながらわかりやすく解説していく池上彰の人気新書、シリーズ最新第16弾。
「チリンのすず」 やなせたかし 著 / フレーベル館
生まれたばかりの子羊、チリン。ある日狼のウォーが牧場を襲い、母羊が死んでしまう。
チリンは強くなるために、お母さんのかたきである狼のウォーに弟子入りすることに。
成長しけだものとなったチリンは、ついに復讐を果たすが…
「普天を我が手に 第一部」 奥田英朗 著 /講談社
1926年、昭和時代を背負う4人の少年少女たちを軸に展開される物語。
昭和100年、戦後80年に生まれる、壮大な昭和史サーガ三部作。
第一部は、親世代の視点を中心に、大正天皇の崩御から太平洋戦争開戦までを描く。
「見るだけでわかる!!英語ピクト図鑑」 マーク 著 / プレジデント社
TOEIC300点台から940点へ、自身の英語力を劇的にアップさせた著者が、SNSで話題沸騰のピクトグラムで英語をわかりやすく解説する、今までにない英語学習本。
「知らないと恥をかく世界の大問題16」 池上彰 著 / KADOKAWA
世界、日本が抱える大問題を、歴史的な背景を交えながらわかりやすく解説していく池上彰の人気新書、シリーズ最新第16弾。
「チリンのすず」 やなせたかし 著 / フレーベル館
生まれたばかりの子羊、チリン。ある日狼のウォーが牧場を襲い、母羊が死んでしまう。
チリンは強くなるために、お母さんのかたきである狼のウォーに弟子入りすることに。
成長しけだものとなったチリンは、ついに復讐を果たすが…
「普天を我が手に 第一部」 奥田英朗 著 /講談社
1926年、昭和時代を背負う4人の少年少女たちを軸に展開される物語。
昭和100年、戦後80年に生まれる、壮大な昭和史サーガ三部作。
第一部は、親世代の視点を中心に、大正天皇の崩御から太平洋戦争開戦までを描く。
『今週のおすすめの一冊』
「夢伝い(ゆめづたい)」
宇佐美まこと 著 <集英社>

今回紹介させて頂くのは集英社から文庫で刊行された短編小説「夢伝い」です。著者は「愚者の毒」というミステリー作品で日本推理作家協会賞を受賞されたこともある宇佐美まことさんです。実は五年ほど前にも「黒鳥の湖」という作品を紹介させて頂いたことがあります。「黒鳥の湖」はその後ドラマ化もされたのでご存じの方も多いと思います。
さて宇佐美さんと言えばミステリー作品を多く書かれている作家さんですが、ホラー要素のある怪異による恐怖を描いた作品も多く生み出されています。今回ご紹介する「夢伝い」も日常の影に潜む怪異を描いた短編集です。この1冊に11の奇奇怪怪な短編が収録されています。全ての短編の魅力を詳しくお伝えしたいところではありますが、何時間でも語れてしまいそうなので自重して、かいつまんでご紹介させて頂きます。
文庫本として一般的なページ数でありながら多くの短編が収録されていて、一篇あたりの分量は多くないので読みやすいです。それぞれ独立した短編なので、ひとつの作品を一息に読んでいくことで、得体のしれない宇佐美ワールドの恐怖に没入することができます。
まず表題にもなっている「夢伝い」についてご紹介します。
主人公は、とある出版社に勤めている編集者で、担当している作家から「もう書けない」と連絡があり、北陸に住む作家の元へ向かっている場面から始まります。なぜ小説が書けなくなったのか主人公は尋ねますが、作家の説明は不可解なものでした。なんでも、夢を伝って何かがやって来ると怯えており、眠れなくなっていると言います。
果たして断筆した作家は何を見たのか、彼の話す奇妙な話は真実なのか、そして夢を伝ってこちら側へ渡ってくる存在とは何なのか。主人公である男性は人間関係にそれなりの問題を抱えてはいるものの、ホラーや霊感みたいなものとは無縁の生活を送っていました。その生活にじわりと、夢を伝って怪異の気配が腕を伸ばすように近づいてくる描写に背筋が寒くなる思いがしました。
収録されている短編はいずれも、得体の知れない奇怪な存在にこれまでの日常が脅かされていくような恐怖を孕んでいます。恐怖を伴うそれぞれの怪異が時として人間の本質をあぶり出し、異界と現実世界の境界を奪っていくのです。
ただしワンパターンなホラー一辺倒ではもちろんありませんし、実にバラエティに富んでいます。やはりここがミステリー作品も数多く手がけてきた宇佐美さんの文章力と世界観の成せる技です。
新型コロナウイルスが流行した頃の日本を舞台にした「果てなき世界の果て」という短編は、どちらかと言うとホラーと言うよりも奇妙な物語といった作品です。それ以外にも、純粋なホラー作品というよりも文章の隙間に隠された謎を解いていくことで真相が分かるような作品もあります。
著者の宇佐美さんが愛媛県出身ということも関係しているのか、四国を舞台にした作品もいくつかあります。「沈下橋渡ろ」という作品は高知県のとある山村が舞台となっています。もしかすると登場する地区に似た場所を見知っている読者の方がいるかもしれませんね。いずれも多くを語ってしまうとネタバレに繋がってしまうので、詳細をお伝えできないのがもどかしい限りです。
人間の住まう現実世界のすぐ傍に奇奇怪怪とした存在や現象があるという世界観は、恒川幸太郎さんの作品とも共通した怖さがあります。また、昭和の頃の山村集落に対するほの暗い描写は坂東眞砂子さんを感じさせるようにも思います。
最後になりますが、本書に収録されている物語はいずれもホラーとミステリー要素が混ざり合っており、イヤミスと呼ばれるジャンルに分類されると私は考えます。幸せな結末に至ることはありません。ですがいよいよ夏本番が近づいているこの季節に、背筋をぞくりと冷やしていくのも悪くはありません。私が最も気に入った作品は「愛と見分けがつかない」です。あなたは一体どんな怪異の虜になるのでしょう。
金高堂本店 スタッフ
宇佐美まこと 著 <集英社>

今回紹介させて頂くのは集英社から文庫で刊行された短編小説「夢伝い」です。著者は「愚者の毒」というミステリー作品で日本推理作家協会賞を受賞されたこともある宇佐美まことさんです。実は五年ほど前にも「黒鳥の湖」という作品を紹介させて頂いたことがあります。「黒鳥の湖」はその後ドラマ化もされたのでご存じの方も多いと思います。
さて宇佐美さんと言えばミステリー作品を多く書かれている作家さんですが、ホラー要素のある怪異による恐怖を描いた作品も多く生み出されています。今回ご紹介する「夢伝い」も日常の影に潜む怪異を描いた短編集です。この1冊に11の奇奇怪怪な短編が収録されています。全ての短編の魅力を詳しくお伝えしたいところではありますが、何時間でも語れてしまいそうなので自重して、かいつまんでご紹介させて頂きます。
文庫本として一般的なページ数でありながら多くの短編が収録されていて、一篇あたりの分量は多くないので読みやすいです。それぞれ独立した短編なので、ひとつの作品を一息に読んでいくことで、得体のしれない宇佐美ワールドの恐怖に没入することができます。
まず表題にもなっている「夢伝い」についてご紹介します。
主人公は、とある出版社に勤めている編集者で、担当している作家から「もう書けない」と連絡があり、北陸に住む作家の元へ向かっている場面から始まります。なぜ小説が書けなくなったのか主人公は尋ねますが、作家の説明は不可解なものでした。なんでも、夢を伝って何かがやって来ると怯えており、眠れなくなっていると言います。
果たして断筆した作家は何を見たのか、彼の話す奇妙な話は真実なのか、そして夢を伝ってこちら側へ渡ってくる存在とは何なのか。主人公である男性は人間関係にそれなりの問題を抱えてはいるものの、ホラーや霊感みたいなものとは無縁の生活を送っていました。その生活にじわりと、夢を伝って怪異の気配が腕を伸ばすように近づいてくる描写に背筋が寒くなる思いがしました。
収録されている短編はいずれも、得体の知れない奇怪な存在にこれまでの日常が脅かされていくような恐怖を孕んでいます。恐怖を伴うそれぞれの怪異が時として人間の本質をあぶり出し、異界と現実世界の境界を奪っていくのです。
ただしワンパターンなホラー一辺倒ではもちろんありませんし、実にバラエティに富んでいます。やはりここがミステリー作品も数多く手がけてきた宇佐美さんの文章力と世界観の成せる技です。
新型コロナウイルスが流行した頃の日本を舞台にした「果てなき世界の果て」という短編は、どちらかと言うとホラーと言うよりも奇妙な物語といった作品です。それ以外にも、純粋なホラー作品というよりも文章の隙間に隠された謎を解いていくことで真相が分かるような作品もあります。
著者の宇佐美さんが愛媛県出身ということも関係しているのか、四国を舞台にした作品もいくつかあります。「沈下橋渡ろ」という作品は高知県のとある山村が舞台となっています。もしかすると登場する地区に似た場所を見知っている読者の方がいるかもしれませんね。いずれも多くを語ってしまうとネタバレに繋がってしまうので、詳細をお伝えできないのがもどかしい限りです。
人間の住まう現実世界のすぐ傍に奇奇怪怪とした存在や現象があるという世界観は、恒川幸太郎さんの作品とも共通した怖さがあります。また、昭和の頃の山村集落に対するほの暗い描写は坂東眞砂子さんを感じさせるようにも思います。
最後になりますが、本書に収録されている物語はいずれもホラーとミステリー要素が混ざり合っており、イヤミスと呼ばれるジャンルに分類されると私は考えます。幸せな結末に至ることはありません。ですがいよいよ夏本番が近づいているこの季節に、背筋をぞくりと冷やしていくのも悪くはありません。私が最も気に入った作品は「愛と見分けがつかない」です。あなたは一体どんな怪異の虜になるのでしょう。
金高堂本店 スタッフ

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